連載・第5回

石谷バリスタ

コーヒーコラム

Coffee Column

コロナ禍におけるコーヒービジネス

新型コロナはビジネスの現場に実に様々な影響を及ぼしており、コーヒー市場でも「テイクアウト」や
「家で楽しむコーヒー」のニーズが増加するなど、新しい明暗が浮かび上がっています。
今回はトップバリスタの視点から、コーヒービジネスの現状と今後について、お話を伺いました。

“ コーヒービジネスの現場は、今どのような状況なのでしょうか? ”

コーヒーというもの自体の落ち込みはあまり感じていません。逆にコーヒー豆やコーヒー器具を購入する方々が増えたと実感しています。テレワークも含め自宅で過ごす時間が増え、自宅での楽しみのひとつにコーヒーの存在が大きくなっているのかなと感じています。ロースターさんたちに話しを聞くと卸の方面はやや厳しいが、店頭での豆販売やWebでの豆販売の需要は昨年よりも伸びていると言っている方々が多いです。食事がメインではないコーヒーショップ、もしくはテイクアウトという括りですと自粛が開けてからはお客様も8割ほど戻ってきていると感じています。

“ 予定していた新店舗オープンを断念せざるを得ない、というケースも多いのでしょうか? ”

計画していた店舗を白紙にするという声はあまり聞かないですね。ただオープン時期に関しては、世論やコロナの状況を見ながらタイミングを見計らっていると感じています。コーヒーは朝や昼のイメージが強いので、他の形態に比べると店舗オープンのしづらさはなさそうです。

“ コロナ長期化も見据え、厳しい状況の中で店舗経営を続けていくためには、お店側にどのような施策・工夫が求められるでしょうか? ”

まずしっかりと感染対策しているというのがわかるということが重要だと思います。
基本的なことですが、密にならないようにある程度の入店規制をしたり、スタッフはもちろんお客様にもマスクの着用を義務付ける必要はあると思います。席数が減ってくると当然スタッフの数は以前よりは削られます。バリスタは一人一人のお客様にしっかり時間を使って丁寧な接客というか、しっかりとコミュニケーションをとることが必要だと思います。エバシスのような安心感のあるマシンがその手助けを更にしてくれると思います。マシンに任せることは任せて、今まで以上に信頼関係の構築に接客時間を割くことが求められると思います。

“ 今後、お客様からはどのようなニーズが増えそうでしょうか? ”

自粛期間中の影響もあり、人と会わない・会えない状況によって、デリバリーシステムや人と接しないことがビジネスのやり方となってきていると感じています。しかし、やはり人と会って話したり、誰かに作ってもらったり、見える場所で運んでもらったり、人とのリアルなつながりを求めているので、最終的にはそこに戻ってくると思います。今後様々な「人と接しないシステム」が構築されていくかと思いますが、やはり人と会いたいというニーズはあると思います。

“ 石谷さんご自身が、コロナ禍の今だからこそ感じることや大事にしたいことなどをお聞かせいただけますでしょうか。 ”

ビジネス的には今後数年、今以上にオンライン上でのやり取りや繋がりは多くなっていくと思います。しかし上記でも述べたように、人とのリアルなつながりや信頼関係の構築が益々重要になっていくと思います。バリスタが美味しいコーヒーを作るだけで良い時代ではもうありません。美味しいコーヒーはマシンが手助けしてくれるので、バリスタはお客様と良い信頼関係の構築に時間を割くべきだと思います。そのツールのひとつに、美味しいコーヒーがある、という考えでいます。人との距離を強制的に取らなくてはいけなくなってしまったからこそ、もう一度周りにいる人のことやお客様のことを考え、人とのつながりの重要性や大切さを痛感することで、実際会えたとき、もしくはお店に足を運んだ時の感動は、コロナ前以上のものとなるかもしれません。そう意識して、今毎日を過ごしています。

石谷さん、ありがとうございました!

エバシス・ブランドアンバサダー
石谷 貴之 Taka Ishitani
2012年より独立しフリーランスで活動を開始する。2017・2019年ジャパンバリスタチャンピオンシップ優勝、2009・2012・2015・2018年準優勝。Coffee Fest Latte Art世界選手権の審査員に抜擢される。主にバリスタのトレーニングからスタッフ育成、店舗の立ち上げやオペレーションなど、幅広いコーヒーのコンサルティングを行っている。
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